真室川の伝承野菜

公開日 2019年01月11日

更新日 2019年01月09日

先祖から受け渡された種は人々の熱い思いによってひっそりと守り伝えられついに今日まで姿を消すことなく残りました


真室川の風土になじみ、暮らしを支え独特の食文化をも育んできた奇跡の野菜たち
忘れ去られたはずの彼らに時代は今再び光をあてはじめました


ここにしかない地域の宝
真室川の伝承野菜もそのひとつです

 

(1)ひろこ【残冬から早春】ユリ科
アサツキの若芽。「ひろこ」という呼び名は元々ネギの仲間をあらわす蒜(ひる)が変化したものと思われる。特に雪を掘り起こして食べるものは黄色く柔らかでシャキシャキとした歯ごたえと甘みは春一番の味。野菜として栽培もされるが、民家近くの土手などでは野生も良く見られる。真室川町内ではかつて鮭延城址あたりが群生地として有名で、春には「ひろこ摘み」の人々で賑わったという。
【食べ方:酢味噌和え・かき揚げ・吸物・鍋物・天ぷら】

ひろこ

 

(2)雪割菜【早春から初夏】アブラナ科
雪解けとともに伸び出す茎立ちと呼ばれる花芽を食べる茎立菜の一種。9月に種を播き秋のうちに株を充実させ、雪の下で越冬させる。春一番に雪を割るように成長することからこの名が付けられた。一般的な茎立菜の特徴である苦味などはなく、ほのかな甘みと柔らかな食感が、野菜の少ない春先の食卓に重宝される。一度収穫しても脇芽が次々と立ち、同じ株から何度も収穫できる。
【食べ方:お浸し・汁の実・炒め物】

雪割菜

 

(3)赤にんにく【夏】ユリ科
外皮が赤みがかり、大粒で貯蔵性に優れ、萌芽しにくい。一般的なにんにくに比べ香りや味がまろやかだと言われ、加熱すればほくほくと甘みが際立つのも特徴。小川内地区の1軒の農家でのみ自家用に長年作り続けられてきたが、近年、種株が分けられ、町内での栽培者は増えつつある。最上伝承野菜認定の「最上赤」と同種として取り扱われている。栽培には有機肥料を多用するとよい。
【食べ方:にんにくつき・醤油漬け・素揚げ】

赤にんにく

 

(4)勘次郎胡瓜【夏から初秋】ウリ科
特徴的な色に加え、ずんぐりとした形、柔らかく水分が多い食感も一般的なきゅうりとは異なり、キュウリ特有の青臭さやえぐみなどがほとんどなく、フルーツ感覚のキュウリとして主に生食に好まれている。約120年前、谷地の沢地区の姉崎勘次郎家に鮭川村から嫁いだ方が携えてきたのが始まりで、姉崎家によって現在まで細々と守られてきた。平成20年からは町内の農家グループも栽培と小規模販売を始めている。
【食べ方:サラダ・浅漬け・置漬け・ピクルス・煮物・炒め物】

勘次郎胡瓜

 

(5)弥四郎ささぎ【夏から仲秋】マメ科
完熟した種実が茶色なことから「茶ささぎ」と呼ばれ、若実は柔らかで味が良く、完熟した種実も煮豆などで食べられる。かつては町内全域で作られていたというが、戦後、市場性の高い市販の改良種に押され、姿を消しつつあった。このささぎは川舟沢地区の佐藤弥四郎家に伝わってきたもの。つる性で、栽培には手柴やネットが必要。5月と7月の2回播種することで、長期間の収穫が可能となる。
【食べ方:若莢/炒め物・汁の実・煮物  種実/煮豆・白あん】

弥四郎ささぎ

 

(6)からどり芋【初秋から晩秋】サトイモ科
里芋の仲間で、姿形もよく似るが、茎が赤紫色で里芋とは違い親芋を主に食用とする。煮物にすればねっとりとしてきめ細かく、まるで上品な和生菓子のような食感が特徴。もちろん子芋もおいしく、茎や葉も利用できる。畑でも水田でも栽培できるが、翌年の種芋には、水田で育てたものを使う。生の軟茎は甘酢漬けに、干した茎、芋がら(ずいき)は、冬の伝統料理「納豆汁」に欠かせない食材。
【食べ方:芋/煮物・汁の実  茎/甘酢漬け・納豆汁・炒り物  葉/炒り物・煮物】

からどり芋

 

(7)甚五右ヱ門芋【晩秋】サトイモ科
小川内地区の佐藤家に家宝のひとつとして代々伝えられてきたという里芋。佐藤家のかつての屋号「甚五右ヱ門」にちなんだ芋の名。外観は普通の里芋に比べやや長め、食感やわらかで、ぬめりも多い。芋煮にすると、芋の外側と内側の固さの差はほとんど無く箸で簡単に切れるほど。切り口はきれいな白色。里芋は通常親芋を食べないが、この芋は煮物などにして親芋もおいしく食べられる。
【食べ方:芋煮・煮物・素揚げ・コロッケ】

甚五右ヱ門芋

 

(8)とっくりかぶ【晩秋から初冬】アブラナ科
荒木地区の中川家のみで栽培され続けてきた地かぶで、筋っぽさが無くサクサクと柔らかで水分が多いのが特徴。生でかじってもかぶ独特の辛味は少ない。可食部は短くて太く、中央付近がわずかにくびれ、下膨れた形がちょうどとっくりのようにみえることからこの名で呼ばれてきた。土から出た葉に近い部分の外皮は赤紫色になる。可食部に比べて葉の部分がかなり長いのも特徴。
【食べ方:甘酢漬け・汁の実】

とっくりかぶ

 

(9)最上かぶ【晩秋から初冬】アブラナ科
形は長め短めなど多様だが、最上地域北部で多く作られてきた。土から出た部分は赤紫色にるが内部は白く肉質柔らか。
【食べ方:味噌かぶ・麹漬・甘酢漬・汁の実・炒り物】

 

(10)地かぶ【晩秋から初冬】アブラナ科
平岡の「長左エ門かぶ」、小川内の「ねずみのおっぱ」など、最上かぶと似ているが、形や呼び名が個性的な地かぶがまだまだある。
【食べ方:味噌かぶ・麹漬・甘酢漬・汁の実・炒り物】

地かぶ

 

(11)黒五葉【枝豆晩夏/大豆初秋】マメ科
葉が5枚であることからこの名。別名「いづつぱ豆」とも。黒豆煮にする他、若いうちに収穫して枝豆として食べても味が良い。
【食べ方:枝豆・打ち豆・黒豆煮・なます】

黒五葉

 

(12)青ばこ豆【枝豆初秋/大豆仲秋】マメ科
青大豆の一種。青黒よりも色が薄く、黄緑がかっており、形もやや平たく、白っぽい模様がるのが特徴。
【食べ方:枝豆・打ち豆・数の子豆・豆味噌

青ばこ豆

 

(13)青黒【枝豆仲秋/大豆晩秋】マメ科
青大豆の一種。他の青大豆に比べ黒みがかっている。大豆の状態になっても緑色が濃く味も良い。きなこや節分の炒り豆によい。
【食べ方:枝豆・打ち豆・数の子豆・きなこ・節分の炒り豆】

青黒

 

(14)大黒豆【枝豆初秋/大豆仲秋】マメ科
雁がかじったようなしわ模様が豆の中央に出る事から「雁喰い」とも。黒五葉よりもひとまわり大きく、やや平たいのが特徴。
【食べ方:枝豆・打ち豆・黒豆煮・なます】

大黒豆

 

(15)七夕白ささぎ【夏から晩秋】マメ科
隠元豆の一種。七夕の頃に種を蒔く。若莢はやわらかく香ばしい。成熟後の種実は皮が薄く煮豆にして特に美味。白あんにも好適。
【食べ方:若莢/炒め物・お浸し・煮物  種実/煮豆・白あん】

七夕白ささぎ

 

(16)在来金時豆【夏から初秋】マメ科
隠元豆の一種。鮮やかな紅色が特徴。町内全域で煮豆用に栽培。おふかしに炊き込んだり、近では、茹でてサラダの彩りにも。
【食べ方:煮豆・おふかし・サラダ】

在来金時豆

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